5月5日は端午の節句です。
子供の日ともいいます。
この日は、菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)を屋根にさします。
又、菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)の入ったお風呂にはいります。
今回、なぜこの日に菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)が欠かせないのか
その理由について調べてみました。
菖蒲(しょうぶ)だけ使い、蓬(よもぎ)は使わない地域が多いと
思いますが、両方に意味があります。
端午の節句は菖蒲と蓬を屋根にさすのはなぜ?
菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)は、魔よけ、厄除けです。
由来を調べていたら、いいものがありました。
日本昔話です。
No.0296
おにとわかもの
鬼と若者
放送回:0184-B 放送日:1979年05月05日(昭和54年05月05日)
演出:漉田實 文芸:漉田實 美術:玉井司 作画:玉井司
https://www.youtube.com/watch?v=MFGUW06sLeU
これをみると、端午の節句に菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)が
欠かせないかがわかります。
興味のある方はyoutubeをご覧ください。
話の概要です。
昔、五月節句の日のこと。
一人の若者が犬を連れて狩りへと出かけました。
そこで、赤鬼に追われることになったのです。
若者は食われては困ると、一目散に元来た道を走り、
鬼は地鳴りの様な声を上げて追いかけてきました。
鬼に捕まりそうになった時、けつまずいて落ちたところが
ヨモギの草原(くさはら)でした。
鬼がやってきましたが、草原に入るのをためらっています。
鬼にはヨモギの葉が、火が燃えているようにみえて近づけなかった
のでした。
鬼はどこかへ姿を消したので、ヨモギの草原を抜けだし駆け出しました。
しかし、又、見つかって鬼に追われることになりました。
逃げているとき時、また何かに足をとられ、今度は菖蒲の茂みに
転げ落ちたのです。
鬼の目には菖蒲の葉が刀に見え、一向に若者に近づけないのだした。
若者は菖蒲を持って歩きだしました。刀だ、刀だぞ!
鬼はいっこうに飛びかかってくる様子がありません。
無事に家にたどり着いた若者は、さっそく戸口に菖蒲を刺しました。
そして、村中の家にも菖蒲を刺して回りました。
とうとう鬼は菖蒲が怖くて村に近づけず、すごすごと森へ帰って
行きました。
それからは、この村では毎年五月五日になると、戸口に菖蒲を刺すように
なりました。
端午の節句に菖蒲と蓬に入ったお風呂にはいるのはなぜ?
体を清めて、1年中無病息災に過ごせるようにするためです。
菖蒲(しょうぶ)には、独特の香りがあります。
アザロン、オイゲノールなどの精油成分があり、この独特の香りが
邪気を払うと信じられていました。
鎮痛や血行促進の働きがあるようです。
蓬(よもぎ)には保温効果があり血流が良くなります。
腰痛や肩こり、女性にはつらい生理痛などを和らげてくれ、
新陳代謝を高めてくれます。
その他にも、成分に豊富に含まれる精油成分に
殺菌作用や止血作用があるため、
アトピーが良くなったり、切り傷や擦り傷にも良いとされています。
菖蒲(しょうぶ)と菖蒲(あやめ)は違う
端午の節句で欠かせないのは、菖蒲(しょうぶ)です。
菖蒲(しょうぶ)、菖蒲(あやめ)、花菖蒲(しょうぶ)杜若(かきたつばた)
の違いを確認しておきましょう。
●菖蒲(しょうぶ)
サツマイモ科
特にきれいな花が咲くわけではりません。
これを、魔よけ厄除けで、屋根にさしたり、湯にいれたりします。
●菖蒲(あやめ)
同じ漢字ですが、あやめ、と読みます。
根本が編み目模様(文目 あやめ)になっています。
●花菖蒲(しょうぶ)
根本に黄色のすじがあります。
●杜若(かきたつばた)
根本に白い筋があります。
最後に
端午の節句に菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)が欠かせない理由が
これでご理解いただけましたか。
では、端午の節句を楽しみましょう。