まずは、百人一首から、
君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ
光孝天皇(15番) 『古今集』春・21
あなたにさしあげるため、春の野原に出かけて若菜を摘んでいる
私の着物の袖に、雪がしきりに降りかかってくる。
この中に、若菜摘む、と出てきますね。
この若菜は、薬用となる春の七草を摘むということです。
このように、春の七草を摘むのは慣例的な行事でした。
私達は1月7日の節句に、七草粥を食べます。
正月の食い過ぎで疲れた胃を休めてくれます。
七草粥の由来や効能について記しますので、ご一読ください。
・節句 七草粥はいつ食べるの、
・節句 七草粥の由来について、
・節句 七草粥の効能について、
節句 七草粥はいつ食べる?
最初に、節句ってなんでしょう。
「節」とは、季節の変わり目です。
季節の変わり目には、風邪をひいたりして、体調をくずしやすいでしょう。
これは邪気のせいと考えられました。
「節句(せっく)」は邪気を祓い、無病息災を祈ってお供えをする行事です。
「節供(せっく)」ともいいます。
七草粥は一年の無病息災と五穀豊穣を祈って食べます。
七草粥は、1月7日の朝に炊いて食べます。
毎年食べていますが、さっぱりしていて、私は大好きです。
正月の食べすぎ、運動不足でなまった体には優しい食べ物です。
お粥を食べて体調を基に戻したいものです。
春の七草粥です。
セリ・・・・芹
ナズナ・・・薺 :別名「ペンペングサ」
ゴギョウ・・御行・御形 :「ハハコグサ・母子草」のこと。オギョウとも。
ハコベラ・・繁縷・蘩蔞 :「ハコベ」のこと
ホトケノザ・仏の座 :現在の「タビラコ・田平子」
スズナ・・・菘・菁・鈴菜:「カブ・蕪」のこと
スズシロ・・蘿蔔・清白:「ダイコン・大根」のこと
覚え方は、5・7・5・7・7と俳句のようにリズムをとります。
最後に、春の七草、を入れて言います。
秋の七草もありますので、それと区別して覚えるために、春の七草まで言い切りましょう。
セリナズナ・ゴギョウハコベラ・ホトケノザ・スズナスズシロ・ハルノナナクサ
しばらく繰り返しているとすぐに覚えます。
節句 七草粥の由来は?
節句は中国から伝わってきて、それが徐々に日本に定着しました。
唐の時代に、「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」と言って、
7種類の若菜を入れた汁物を食べて無病息災を願ってました。
中国の超難しい官吏昇進試験が1月7日にあり、その日の朝に七種菜羹を食べて、
試験合格と立身出世を願ったといいます。
先の古今集の光孝天皇の歌にあったように、
新春に若菜を摘んで食べ生命力をもらう「若草摘み」という風習や、
中国から伝わってきて7種類の穀物でお粥を作る「七種粥」の風習などから
徐々に「七草粥」に変化し定着していきました。
ちなみに節句は5つあります。
五節句
人日(じんじつ)1月7日 七草の節句
上巳(じょうし)3月3日 桃の節句・雛祭
端午(たんご) 5月5日 菖蒲の節句
七夕(しちせき)7月7日 七夕(たなばた)
重陽(ちょうよう)9月9日 菊の節句
七草粥は、1月7日の人日の節句に食べます。
節句 七草粥の効能について
セリ・・・・芹=「競り勝つ」
解熱効果、
整腸作用、
利尿作用、
食欲増進、
血圧降下作用、
ナズナ・・・薺=「撫でて汚れを除く」
利尿作用、
解毒作用、
止血作用、
胃腸障害に効果あり、
むくみに効果あり。
ゴギョウ・・御行・御形=「仏体」
痰や咳に効果あり。
のどの痛みをやわらげる。
ハコベラ・・繁縷・繁縷=「反映がはびこる」
腹痛薬、
胃炎に効果があり、
歯槽膿漏にも効果あり。
ホトケノザ・仏の座=「仏の安座」
食欲増進、
歯痛に効果あり。
スズナ・・・菘・菁・鈴菜=「神を呼ぶ鈴」
胃腸を整える、
消化促進、
しもやけやそばかすに効果あり。
スズシロ・・蘿蔔・清白=「汚れのない清白」
風邪予防、
美肌効果あり。
これみると、正月の食べ過ぎた胃にはとても効果的であることがわかるでしょう。
まとめ
七草粥は、人日の節句1月7日の朝に食べます。
春の七草は、
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ
七草粥を食べて一年間の無病息災を祈ります。
また、七草は、正月の食べ過ぎた胃を整える働きもあります。
七草粥を食べて健康に過ごしましょう。
また、子供たちに七草について教えてあげましょう。