職場環境を良くする活動として有名なのが5Sです。
5Sという言葉は聞いたことがあるでしょう。
整理、整頓、清掃、清潔、躾 の最初の頭文字のSをとって、
5Sと呼んでいます。
5S活動は、ムダをなくすことです。
最初に行うべきは清掃です。きれいにしただけではムダをなくすことが
出来ませんが、きれいな環境でないことには、整理整頓も進まないでしょう。
今回は、5Sの目的と清掃にフォーカスして記事を書きました。
・5Sとはムダをなくすことである
・5Sでまずは清掃、きれいな職場ですすめる整理整頓
・5S活動を継続させるには
・まとめ
5Sとはムダをなくすことである
まず、5Sとは何かをみてみましょう。
・整理;
要る物を明確にする。要らないものを捨てる。
期限をきめて、例えば半年間使用しないものは処分する等のルールを決める。
在庫等の管理にも応用できる。
期限を決めて過ぎた物は廃棄する。
これを徹底する事により、余分な在庫を持たないように管理できるようになる。
・整頓;
要るものを使い易い場所にきちんと置くこと。
置き場所置き方に注意する。
置き場所には、名前を明記して何であるかわかるようにする。
要る物をとる時に無駄が生じないようにする。
例えば、必要なものが奥に入っていて取り出すのに時間がかかるのはダメ。
使い終わったら元に戻すことを徹底させる。
数日連続して使用する場合は、必ず使用者と期限を明記してわかるようにする。
・清掃;
身の回りのものや職場をきれいに掃除をして、いつでも使えるようにすること。
きれいにすることで、モラルが向上します。
・清潔;
整理・整頓・清掃を維持し、誰が見てもきれいでわかりやすい状態に保ち、
きれいな状態を保とうという気持ちにさせること。
・躾 ;
職場のルールや規律を守り、習慣づけること。
例えば、
・製造現場において、必要工具を探していて数分時間をロスした。
・何時もある場所に物がなかった。誰かが借りていったまま返してない。
・必要な資料が直ぐに出てこなく、会議での説明に手間取ってしまった。
このように、日常業務の中で必要なものが直ぐに出てこないという
時間のロスがあると、生産性に影響を与えるようになります。
又、当人も物さがしに時間を費やす事で集中力が途切れてしまいます。
ムダなことはなくすというのが、5S活動なのです。
5Sでまずは清掃、きれいな職場ですすめる整理整頓
整理整頓は大事ですが、まずは清掃です。
清掃の効果、キレイな環境の効果について考えたことありますか。
良い例があります。
割れ窓理論 Broken Windows Theoryをご存知ですか?
建物の窓が壊れているのを放置すると、やがて他の窓もすべて壊されるという
考え方です。
アメリカのジョージ・ケリング教授が次のような実験をしました。
1、わざと車を放置する⇒1週間、特に何も起きない。
2、フロントガラスを割った車を放置⇒直ぐに部品が盗まれ始めた。
その後、窓ガラスが割れ、車は破壊されてしまった。
違いは窓ガラスを1つ割っただけです。
これが、割れ窓理論(ブロークン・ウインドウ理論)なんです。
小さな犯罪をそのままにすることで、やがて、大きな犯罪の住処になる。
小さな犯罪を根絶やしにすることで、凶悪犯罪を減らすことができる。
1980~90代のニューヨークは治安が悪くアメリカ1の犯罪都市でした。
ジュリア―ノ市長が行った方法は、地下鉄の落書きを全て消すこと。
5年後に地下鉄の落書きを全て消し終えると、犯罪が減少しはじめたのです。
次に行った方法は、軽犯罪の徹底した取り締まりです。
すると、凶悪犯罪が5年後に半分にまで減少しました。
この方法を指導したのが、先ほどのジョージ・ケリング教授なのです。
つまり、
小さな犯罪をそのままにすることで、やがて、大きな犯罪の住処になる。
小さな犯罪を根絶やしにすることで、凶悪犯罪を減らしていこうという試み
だったのです。
落書きを消すことは、常にそこには監視の目が光っていると思わせることが
できます。
これを清掃に当てはめることができます。
職場が散らかっている、トイレは汚くて臭い、駐車場にはゴミが落ちている、
この状態に慣れると、どんどん汚くなっていき、従業員の意識も低くなります。
モヤモヤ、イライラしてくるでしょう。
逆に、キレイな職場、キレイなトイレ、ゴミの落ちていない駐車場であれば
気持ちの良い環境ですので、やる気が自然と湧いてくるのです。
掃除が大事なのです。
毎日、10分でいいので全員で清掃をする。
これが、キレイな職場をつくることになります。
そして、やる気が出てモラルが向上します。
この清掃を行い、そして、整理整頓を実施して、ムダをなくしていくのです。
5S活動を継続させるには
とにかく、形から入ることです。すると心もついてきます。
清掃する。
整理しているものを明確にして、物の置き場所を決める。
数量を明示する。
使った後は必ず元に戻す、これを徹底する。
組織的には、5S活動運営組織があり、強制的に5Sを推進していきます。
形が決まってくると、自主性がでてきます。
躾も大事です。
会社のルール、規律を守り、習慣化するには繰り返しが大事です。
例えば、あいさつ、社是などは毎日確認を行ってもいいでしょう。
まとめ
5Sは、ムダをなくすことです。
まずは、清掃、そして整理整頓清潔躾を進めていきます。
きれいな職場環境で、5S活動により業務効率をあげていきましょう。