「本契約成立の証として本書弐通を作成し、各当事者が(署名若しくは)
記名捺印の上、各々その壱通を保有する。」
契約書を交わす時に、このような文面を見たことありませんか?
他にも、自署押印、署名捺印、という表記も見たことがあると思います。
署名、記名、署名捺印、自署押印、記名押印、の違いがわかりますか。
今回は、これらの違いと、合わせてハンコの種類についてまとめてみました。
1、署名、記名、署名捺印、自署押印、記名押印の違いは?
2、実印と銀行印と認印とシャチハタの違いは?
3、確定申告や離婚届は実印か認印か?
4、最後に
■この記事を読むと
署名、署名捺印、自署押印、記名押印、の違いと、
実印と銀行印と認印とシャチハタの違いが理解できます。
●押印と捺印ですが、基本的にはどちらも印鑑を押す意味では変わりません。
●捺印という言葉は押印の古い言葉というニュアンスですので、自署押印と
いう使われ方もあります。
・署名とは、本人の氏名を自分の手書きで書くこと(自筆サイン=自署)
・記名とは、氏名を書くこと(自署以外でもOK)
他人による代筆、
印刷された活字、
ゴム印で押したもの でも良い。
・署名捺印とは
署名に対しては、捺印という言葉を使います。
自筆サインして、ハンコを押します。
・署名押印と使われているケースもあります。
引用 不動産に鑑定評価に関する法律
1、
2、鑑定評価書には、その不動産の鑑定評価に関与した不動鑑定士がその資格
を表示して署名押印しなければならない。
・記名押印とは
記名に対しては、押印という言葉を使います。
氏名を書いて(自署以外でもOK)、ハンコを押します。
・記名捺印と記しているのを、私は見たことがありませんが、記名してハンコを
押すという点では同じです。
・自署押印という使われ方もあります。(署名捺印と同じ)
例えば、確定申告の法人の場合です。
●記名押印で署名に代えることができます。
署名=記名+押印
新商法32条にも規定されています。
署名は自筆になるので筆跡鑑定により本人が約束したという証拠になります。
1、署名捺印
2、署名のみ
3、記名押印
4、記名のみ ・・ 正式な効力とは認められない
の順になっています。
住民登録をしている市区町村の役所や役場に印鑑登録の申請をして
受理されたハンコのことをいいます。
登録をしていないものは実印とはいいません。
金融機関での預貯金口座開設、金銭の出納に使用するハンコです。
定期預金・普通預金・振替預金・郵便預金等の金銭関係に使用します。
●実印と銀行印は別のものにすべきです!
万が一の為です。
仮に実印を盗難などで紛失してしまった場合を考えてみましょう。
役所に実印登録を廃止しに行き、新たに別の印鑑を用意して再度実印登録
しなければならなりません。
また、銀行・金融機関に行って銀行届出印の変更届を出さなければなりません。
又、悪用される可能性もあります。
このようなことを考えると、実印と銀行印は別のものにしておくべきです。
認印とは印鑑登録をしていないハンコのことを言います。
印鑑証明のいらない書類作成や一般事務(伝票関係・出勤簿・簡単な金銭受取)等に使います。
通常は姓のみを彫刻しています。
押印用として携帯するハンコです。
インクが内部から浸透して捺印するタイプの印鑑、浸透印などとも呼ばれます。
シャチハタの印影の表面はゴムでできているので、
国や都道府県や市へ提出する公式書類には一切認められていません。
理由は、
シャチハタ印が「ゴム印」であることにあります。
ゴム印の場合、誰でも簡単に作れて手軽に押せてしまうのです。
・確定申告の場合、
実印でも認印でもOKです。
・離婚届
実印でも認印でもOKです。
夫、妻それぞれが別の印鑑を使用すること。
朱肉をもちいる。
シャチハタはダメ。
夫婦間で、どうしても印鑑がひとつしかなければ、一人は署名のみとしておきます。
署名と記名の違いがわかりましたか?
「認印」はお店などで簡単に入手することができるため、「偽造」のリスクは高くなります。
そのため、重要な契約書では「実印」を用いることが多くあります。
「実印」に間違いないという確認をとるために印鑑証明書も添付してもらうのが安全です。
判を押す時は、内容を充分に確認してから押すようにしましょう。